ばらばらばらばら。


「…、何よ」


綺麗な花と鮮やかに彩られた飴玉が頭上から落ちてきた。それはもう唐突に。
読んでいた古書の上に鬼灯を彷彿とさせるような色の飴玉がころりと転がり、怪訝そうに首を擡げた。
見上げると、水面を掬い上げる時の様に手を前に突き出したままのほたるがいた。


「何か、よく判らないんだけど、誕生日って聞いたから」
「…じゃあこれは誕生祝いって事な訳?」
「まぁ、多分」
「多分って何よ、多分って」
「こういう時誕生日おめでとうって云うんだろうけど、灯がおめでたいと思ってるかどうか判らないから、俺が思ってた事を云うよ」


今思うままの言祝ぎを。


「生まれてきてくれて、ありがとう」


貴方が生まれ出でた事を、心から嬉しく思う。







―終―







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日記に載せてたやつです。





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